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龍馬のポジティビティ

坂本龍馬がこんな事を言っています。

「正直にやることだ、誠実に。
あとは『当意即妙(とういそくみょう)』に漕げばよい。
当方に誠意があるとさえ、先方にわかれば話は早い。」

文字面を読む限り、根っからのお気楽さ加減が伝わる能天気な言葉に見えますが、命がけで交渉を繰り返している中での言葉です。歴史の節目を駆け抜けた龍馬の抱えるネガティビティは半端ではなかったはずです。その上で、こんな事が言えるのは龍馬がいかに高いポジティビティを維持していたかということです。
きっと根底には大きな夢や希望、信頼や畏敬の念があったと思います。その高いポジティビティが彼の行動力の源泉だったのかも知れません。一生懸命で楽観的な龍馬の人柄や社会への向き合い方が滲み出ている言葉の様に感じます。

※「当意即妙」とは、仏教用語の「当位即妙」から

  • 当意(当位);何事もそのままで、真理や悟りにかなっている。場面にあっている。など、、
  • 即妙;その場にあわせ素早く対応・適応する。気が利いている。など、

ありのままに、正直に、誠実に、一生懸命行動すれば、必ず気持ちは伝わる。という事でしょう。

ポジティブな状態って?

ポジティブな状態とは、安心できる状態のことで、感謝や希望が自然と湧き上がってきます。何かに夢中になれたり、畏敬の念を抱けたり感動できたり。日々「いい気分」で過ごせます。楽天的な状態ともいえますが、ネガティビティをいつまでも引きずらないということです。
逆に、人前で無理に楽しくして見せると、ネガティビティが増します。繰り返し無理を重ねると身体のどこかに必ず変調が現れます。身体は正直ですので嘘は見抜き罰します。無理せず、心から楽しめたり感動できるものを見つけておくと、ポジティビティの回復に役立ちます。

ビジネス現場のネガティビティ

2000年以降、ポジティブ心理学は加速的に進化しています。その中で「善玉ネガティビティ」の必要性をポジティブに解釈できる様になった事は大きな一歩だと思います。ビジネス現場で出くわすネガティビティの多くは善玉ネガティビティだったのです。善玉ネガティビティはフルに活用し、不要なネガティビティは極力減らす。強いチームにそれができるのは、チーム全員で「*P型スパイラル」を起こしているからです。

2.旧ポジティブ・シンキングの進化

「ポジティブシンキング」という言葉は、かなり古くからあります。40年前に営業研修の場でこの言葉に出会い、30年前にはそれを指導する立場になっていました。ただ、その度に「ネガティビティもないと困るよな?」と、僅かな疑問が消えたことはありませんでした。当時はネガティビティは悪い事として位置づけされていました。
それが、1999年にアメリカの心理学会でM.セリグマン博士が提唱し「ポジティブ心理学会」が誕生し、それを機に世界中に広がると、実験心理学などの科学的分野で急速に進化しました。ポジティビティの研究に加えネガティビティも科学的に解析されつつあり、必要なネガティビティの存在が明確になっています。善玉ネガティビティを「ノン・ポジティブ」と分類する学者もいます。
今ではビッグデータを駆使し、医療やビジネス分野は勿論のこと、欧米では軍までが導入を検討するまでになっている様です。

1.ポジティブ心理の提唱者たち

マーティン・セリグマン博士

アメリカ心理学会の前会長で、ペンシルベニア大学教授・心理学博士。2000年に米心理学会の会長に就任され「ポジティブ心理学」という分野が確立された。学習性無力感の研究では第一人者です。学習性楽観主義も提唱され、ポジティブ心理学の重要性を提案されています。特に学習性無力感と学習性楽観主義は、現代人のストレス管理や健康管理にとても有用な内容だと思います。

ダニエル・カーネマン博士

ノーベル経済学賞受賞者で、認知心理学者。プリンストン大学の名誉教授で、意思決定論では第一人者です。認知心理学から発展した意思決定モデル「プロスペクト理論」は特に有名で、心理学と経済学の融合理論が評価されたそうです。当初、心理学者が何故ノーベル経済学賞?と思ったのですが、購買心理や経済活動の根底にあるヒューリスティックやバイアスに気づくとそれも納得です。これらに関しても多くの書籍が出版されており、「ファスト&スロー」や「心理と経済学を語る」などは世界中で読まれています。切れ味が良すぎて読みこなすには、かなりの努力と時間が必要です。数ページ毎に別の書物を開いては元に戻るという具合で、覚悟が必要かもしれません。ただ、チャレンジする内に吸い込まれ、いつの間にか探求心が膨れ上がる名著です。

バーバラ・フレデリクソン博士

ノースカロライナ大学教授、心理学者。米心理学会の「ポジティブ心理学テンプルトン賞 最優秀賞」受賞者。他にもポジティブ心理学の分野で多くの賞を受賞されたこの分野の一人者。書物も多く出版されており、女性らしく判り易い表現でとても読みやすい内容です。身近な例え話が多く現実と突き合わせると、理解しやすい内容です。

他にも、

エレーヌ・フォックス教授

オックスフォード大学「感情神経科学センター」の教授で、NHKの白熱教室でも放送されました。楽観脳と悲観脳を脳科学と遺伝子工学の分野から研究されている事で有名です。「ネイチャー」や「サイエンス」、「エコノミスト」など信頼できる一流誌に寄稿されて高い評価を受けています。

愛情いっぱいのコミュニケーション

コミュニケーションを一言で言うと?と質問すると「相互理解だ」と言う講師がいます。「共有だ」と言うトレーナーもいます。中には、「傾聴に始まり傾聴に終わる」と言うカウンセラーもいました。
ある日、子育て真っ最中のママに聞いてみたら、「ダッコ!」の一言。
結局、ママのお話が一番判りやすく、的を射ているように感じました。暖かいですね。
喜び・感謝・安らぎ・希望などなど、あらゆるポジティビティをとことん高めた状態が、母の「ダッコ」なのでしょう。ポジティビティの高いコミュニケーションのヒントになる様な気がしました。