合同会社P研センター

研修プランをより確かなものに

〒214-0038 川崎市多摩区生田3-19-3-205

[mail] office@pken.jp

気質

気質の混合と対立

混合

大人の場合、いくつかの気質が混ざり合っています。基本気質に隣り合った気質との混合が多いようです。
対極にある正反対の気質は対立関係ですので混ざり合うのではなく、場面に合わせたり時間をおいて現れる様です。
幼児期には基本気質が顕著に表れますが、成長過程でいろいろな経験をし、持ち合わせた他の気質が目覚めます。友情や恋、失恋などもそうですし、意見の違いから親友と大激論をかわす事などもそれにあたるでしょう。はじめは戸惑いながらの対応ですが、徐々に周囲と調和するために持ち合わせた他の気質を目覚めさせます。これを繰り返しながら持ち合わせた気質に目覚めてゆき、いつしか無意識になります。幼少期の同窓会などで何年(何十年)ぶりに再会すると昔とは全くの別人になっている友人に出会う事もあります。

対立

対立する気質とは、多血質と憂鬱質(黒胆汁質)、胆汁質と粘液質の事で、正反対の対立関係にある気質です。共存する事は珍しいと言われていますが、稀に持ち合わせた方がいる様です。ナポレオンもその内の一人だそうで、闘争心が強く攻撃的な胆汁質でありながら、戦いの前線でもぐっすり熟睡した(粘液質の顕著な傾向)とか・・・

強く叱ると潰れる??

「多血質」の方を強く注意すると

強く叱られると、おどおどとし謝ります。でも考えのない分、時が過ぎれば元通りです。見えないところで仲間に泣き言を言い、周囲から同情をかい、励ましを得るための行動に移ります。特に人前で注意されたり、恥をかかされるのは本人の一番嫌う場面です。人気者志向ですからね。逆に人前で褒められると調子にのってガンガン仕事を進めます。叱るより、褒めて育てる方針が大切です。日本人に一番多い傾向ですのでやはり「人は褒めて育てる」これが一番です。


「胆汁質」の方を強く注意すると

意に反した事で叱られると、攻撃的になり反論をします。決して自身の考え変えたりはしません。でも、時間をおいて振り返り、事実をフィードバックすると非常に客観的に見直せるタイプです。考えを広げるための選択肢やケーススタディーを周到に準備しておくと、しっかり考え直します。またリーダーになると他チームとの競争には俄然馬力を発揮します。先ず相手の意志と考えを確認し、目的・目標・手法などをしっかり理解させることが重要です。任せられるのは大好きです。


「黒胆汁(憂鬱)質」の方を強く注意すると

強く叱ると潰れます。自分の考えは持っていますが、半分も言わない傾向があります。感情的であったり攻撃的なものには向かってゆけない、自信喪失状態の気質です。ゆっくり時間をかけて、データやレポートを元にして話す事が大切です。PDCAはしっかり回します。「頑張れ」は禁物です。声をかけるなら「大丈夫!」の方がいいですね。


「粘液質」の方を強く注意すると

人前であろうとなかろうと強く叱ってもあまり動じません。不動の大器とでも言うのか、その場は深刻な表情で正面から向き合いますが、実はケロリとしています。時には目が覚めるような強い刺激を与えた方がエンジンがかかります。とは言え、度が過ぎると硬い壁を作り閉じこもります。これは気質以前の問題で身を守る本能です。

努力型の大器ですので、大き目の目標に向けて、身近な課題から任せると、時間はかかりますが必ずやってのけます。適度な刺激と適切な役割分担が目覚めを促します。


■アドバイス

このケースの前提になる事ですが、注意する側に悪意があると、どんな場合にも困った結果を招きます。指導や注意は人を育てるための「善意」、いや「大きな愛情」のこもった行為であって欲しいです。

ゲーテとシラーのジョークにお付き合い

むかしむかし、あるところで、ゲーテとシラーが「気質と職業」について談義したそうです。外側の青文字がその結果だとか・・・・・。
そこにヒポクラテスやアリストテレスらの体液論とシュターナーの教育論を重ねてみました。(ジョークにお付き合い)

(参考までに)
ニールセンの交響曲「四つの気質」(ビバルディの「四季」でも良い)の流る中、カクテル片手にこれを眺めていると、いろんな人がいてこの世は面白いと感じます。生きてるだけで丸儲け!

1.二千年も前からあった概念「気質」

ヒポクラテスと気質

紀元前4世紀頃古代ギリシャでは、既に「四大体液論」としてヒポクラテスがまとめている様です。血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁のバランスが崩れると病気になるとしたそうです。
アリストテレスも「熱気」「冷気」「湿気」「乾気」からなる「四大元素説」を唱えていて、これに重ねて当時は病気の治療を行ったとか。

ガレノスと気質

紀元2世紀頃ローマ帝国時代になると、ギリシャの医学者ガレノスがヒポクラテスの体液論を発展させ、医学の基礎を築いたとのこと。その理論と医学の基礎は、なんとルネサンス期まで続いたそうです。

ルドルフ・シュタイナーと気質

19世紀から20世紀にかけて、シュタイナー教育の開祖であるR.シュタイナーが気質の概念を教育論へと発展させた。日本でもシュタイナー学校が開校し話題になったのを覚えています。他にも哲学や神秘思想の分野で功績の大きい方で、私も幼児教育を通して「気質」の概念に出会いました。